電クルサッカーをやるメリット2

電動車椅子サッカーはダイナミックで見ているだけでも楽しいスポーツである。しかし、プレーしなければ分からない、実感できないメリットが沢山ある。

そこの部分を深掘りしてシリーズでお届けしたい。

第二回「身体への好影響」

選手の多くは重度の障害がある。実際、手足はおろか指先しか動かせない人もいる。しかし、そのような状態でも、サッカーをやることで身体に良い影響があることはあまり知られていない。私と同じ筋ジストロフィーを例にしよう。この病気は全身の筋力が徐々に衰える難病である。病型が非常に多く、人によって症状の出る部位や進行スピードが異なる。筋力低下により、歩行困難から立位・座位保持ができなくなるということは大体共通している。

車椅子生活になると、必然的に座るか横になる姿勢しか取れない。手足を自分で動かす運動などは不可能だ。リハビリなどで他力の運動はできるが、硬くなった関節をほぐす程度の効果である。電動車椅子サッカーをプレーすると、ジョイスティック操作により指や手首、腕を使うだけでなく、激しい回転や接触に耐えようと首から体幹、手足に無意識に力が入る。これが無理なく身体に負荷をかけており、適度な運動になっている。また、仲間とコミュニケーションを取るために声を出すことも意味があると思われる。

自分自身、サッカーをやった後は足の強張りやむくみが軽減されている。

もちろん、身体はそれなりに疲れを感じるが、不快な疲労ではないので良く眠れる気がしている。このように、あらゆる残存機能をフル活用して行うこの競技には身体に良い影響を与えてくれる側面がある。筋ジストロフィーが進行性の病である以上、今の状態をキープし続けることは難しい。しかし、サッカーをすること自体にリハビリ効果が高いとすれば、少しでも良い状態を楽しく維持できるのはかなりのメリットである。実際、急に状態が悪くなって寝たきりになったようなケースをあまり聞かないのは、サッカーのお陰だと信じている。

執筆:高林貴将