電動車椅子サッカーを始めたきっかけ

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僕は、幼い頃からサッカーが好きだった。キングカズに憧れていた。

読売ヴェルディ(現在:東京ヴェルディ1969)のファンで、当時のメンバーは武田、ラモス、北澤、柱谷と言った(自分の中の)黄金世代でずっとテレビにかじりついていた。

フェイスペイントをして何度も国立競技場に足を運んだ。それぐらい熱狂的なファンだった。

そんな自分は、車椅子なのでどうやってもサッカーはできないと諦めていた。

月日は流れ、高校に行くのを機に簡易型電動車椅子ではなく、本格的な電動車椅子の購入を検討していた。

何かで見つけたアクセスジャパンという会社に問い合わせてみたところ、試乗のために電動車椅子を持ってきてくれた。

今まで簡易型電動車椅子しか乗ったことがなかった僕は、とにかく速さに驚いた。すぐに欲しかったが高価だったので、親と迷っていた。

そこに、アクセスジャパンの営業マンから耳を疑うようなことを言われた。

「この車椅子ならサッカーができますよ! サッカーをやるなら、この車椅子だよ」

そこで初めて電動車椅子サッカーの存在を知った。営業マンから横浜ベイドリームという日本一のチームを教えてもらった。

さらに、練習場所が僕が通院している横浜リハビリテーションセンターの隣にある横浜ラポールだった。

早速、電話して見学に行った。

僕は、期待に胸を膨らませていた。

みんな、電動車椅子を自由自在に動かし、大きなボールを楽しそうに車椅子のフットレストに車のタイヤを半分にしたもので蹴っていた。

僕より障害が重い人もやっていた。楽しそうな笑顔を今でも覚えている。僕は、その時この横浜ベイドリームに入る決意をした。

執筆:加藤高明